CYLTIE.がなんか書く

なんか書きます。いろいろ書きたい。

「リナリア」とは結局なんだったのか

 やっとこの曲の話ができる……。

 

冬休みアレンジ祭2020という企画に出したリナリアという曲の話をします。

とどのつまり言うところの百合ソングになっていて、個人的には思い入れの強い曲なので、一関係性のオタクとして語らせてください。対戦よろしくお願いします。

 

 

 

きっかけ

これまでアレンジ祭に出してきた原曲は、まあまあアレンジが難しいというか、メロディアスさを意識し過ぎた結果、耳コピ難易度が非常に高い楽曲になってしまっていたので、今回は分かりやすい、比較的アレンジしやすくなるような楽曲にしたいな~なんていうのは作り始めの段階で考えてました。後にこの目論見はなかったことになるんですが。

 

で、まあ~いまいちなものしか思い浮かばないまま数日が過ぎたある日、自宅にて「双子百合えっちアンソロジーコミック*1」なるものを読んでいて思ったわけです。

 

 

「……そうだ!百合ソングを作ろう!」

 

 

それまで、百合と音楽は明確に切り分けていたのですが、この時はマジで何も思い浮かばん!って状態だったので、開き直って作ってみることにしたのでした。

あと、AIきりたんを使ってみたい欲もあり、タイミング的にもちょうどよかったというのもあります。

 

そうと決まれば作詞だ!ということになり、作詞タイム。ちゃんとした作詞をやるのは多分2年ぶり。

あーだこーだ言いながら2~3時間ぐらいでできたようなできなかったような気がします。

 

あいまいなこの感情 掴みかけては消えて

手の内に残るものは

 

 

一目見たときから 気になってはいたみたいだ

そわそわするような この気持ちはなんなの?

  

友達同士なら 何気ないような行動も

意識し始めたら 途端に気まずくなって

 

 

あなたが私から「好きになってしまった」と伝えられたら

私のこと見る目が変わってしまうでしょうか?

 

受け入れてくれますか 気持ち悪いと思いますか ねえ

私自身そのものに 興味がないですか

 

 

勇気を私にください 吐き出しそうなこの思いを

口に出す力をください あなたの表情が見れなくて

 

一番に私を見てほしい 「友達」じゃ我慢できないよ

その唇を押さえつけたい あなたとする覚悟はできてるから

 

 

あなたは何も言わずに 振り向いて笑顔のまま

 

 

こんな感じに落ち着きました。どちらかというと「百合」という概念に焦点を当てたというか、「自分の中の百合ってこういうことだと思うんだけど、どう?」みたいな感じです。で、ストレートな感じになったので、ギターベースドラムのバンド形式でいこうかな~なんて考えてたんですが、やっぱりピアノは欲しいよなってなったので、ピアノギターベースドラムの4ピースバンドになりました。

 

……このピアノを好き勝手やってしまったせいで、当初考えていた「アレンジのしやすい楽曲」という目論みはなかったことになりました。本当にごめんなさい。ボーカルのメロディは割とわかりやすかったと思うので許してください(そこすらわかりづらいとか言われたら泣いちゃう)。

 

……いや、今回はボーカルあるしピアノぐらいははっちゃけても問題ないかな~とか思ったんです。許してください。

 

歌詞のあれこれ

 

あいまいなこの感情 掴みかけては消えて

手の内に残るものは

 

イントロ。本来ならサビに持ってくるはずだったフレーズです。百合漫画でよくある「この気持ちはなに?」みたいな感じのニュアンスで書いてます。そのあとに続いていくんですが。

 

一目見たときから 気になってはいたみたいだ

そわそわするような この気持ちはなんなの?

  

友達同士なら 何気ないような行動も

意識し始めたら 途端に気まずくなって

 

Aメロ。非常に百合漫画的というか、きっかけの部分って大体こんな感じだよね、みたいなことを書いてます。「友達同士なら~」の1フレーズは、友情と恋愛の違いを端的に言い表せたな~なんて思っていて、個人的には気に入ってるフレーズです。

あとここのピアノが、ボーカルメロとのオブリガート(合いの手)っぽくなっているのがさりげなくお気に入りポイントだったりします。

 

あなたが私から「好きになってしまった」と伝えられたら

私のこと見る目が変わってしまうでしょうか?

 

受け入れてくれますか 気持ち悪いと思いますか ねえ

私自身そのものに 興味がないですか

 

Bメロ。ここで明確に「一人の少女」の視点になります。イメージとしては、それこそ女の子に恋焦がれる女子高生の感じです。「あなた」と「私」という言葉を出して、これは女の子同士の恋愛の話だよ、という雰囲気を出したつもりです。

 

そのあとの「受け入れてくれますか~」は、「同性に恋愛感情を抱くのって、やっぱり世間的にはおかしいけど、それでもやっぱり私はあなたのことが好きになっちゃったし、どうしよう……?」という葛藤の部分を表現してます。ここからサビへの盛り上がりの部分も良くやったな~とは思ってます。

 

勇気を私にください 吐き出しそうなこの思いを

口に出す力をください あなたの表情が見れなくて

 

一番に私を見てほしい 「友達」じゃ我慢できないよ

その唇を押さえつけたい あなたとする覚悟はできてるから

 

あなたは何も言わずに 振り向いて笑顔のまま

 

 

サビの部分。ここは少女の心の叫び、みたいな感じです。畳みかける感が個人的に気に入ってます。

どちらかというと勢い任せに書いた部分なので、あんまり深いことは考えてなかったりしますが、最後の方はちょっと解説が必要そうな気がします。ニュアンスが分かりづらいというか。

 

まず「その唇を押さえつけたい」は、若干遠回し気味にキスしたいっていう意味合いで書きました。そりゃあこの少女は「友達じゃ我慢できない」ので。もうちょっとイイ感じの表現がなかったかな~なんて思ったりはしてます。「その身体ごと押さえつけたい」の方がそれっぽいような気もします。でも唇ってなんかエッチな響きな気がしません……?

 

そのあとの「あなたとする覚悟はできてるから」の「する」は、もちろん言葉通りキスをするの意味もありますが、性行為の方の「する」も暗に含んでます。そりゃあこの少女は「友達じゃ我慢できない」わけなので(大事なことなので2回書きました)。友達のままじゃダメなんですよ。

 

そして、最後の「あなたは何も言わずに 振り向いて笑顔のまま」ですが、個人的にはかなりネガティブなニュアンスで書きました。

……というのは、この少女はそもそも相手に告白してないので、当然相手にはこの一連の気持ちが届いていないわけです。で、相手は少女のことを「ちょっと親しい友達」ぐらいの認識でいるので、恋心を抱いてるとか思ってないんですよ。当然少女からすれば困ったことなのですが、「「恋人になりたい」なんて伝えたら、今の関係すら壊れてしまうかもしれない」という怖さなんかもあり、友達の体で普段通り過ごしている(けどこのままだとこの恋心が伝わりそうもなくて悲しい)、という意味合いで書きました。なんでこの少女的にはBADエンドです。ある意味NORMALエンドかもしれない。

 

リナリア花言葉「この恋に気づいて」「乱れる乙女心」。当初は「激情のリナリア」としていたんですが、アニメcitrusのOP「アザレア」よろしくシンプルに決めたいと思い、「リナリア」としました。道なき道を行くんですよ。初めてを捧げるんですよ(?)。

AIきりたん所感

使ってみた感想としては、「これまた凄いのが出て来たな……」という感じでした。ボーカロイド系の音声合成としては、かなり自然に歌ってくれたので、びっくりしました。本当に無料で使えてええんか……?って感じです。

MusicXMLを使う、という点も斬新で面白かったです。Cubase Proであれば、MIDI打ち込み→楽譜の作成まではできるので、歌詞の流し込みだけMuseScoreでやる、という形で割とスムーズにできて、個人的には助かりました。発想が素晴らしい!

 

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ざっくり説明すると、楽譜データ(MusicXML)を作り、それを読み込ませる感じです。

 

せっかくなので使った音源の話とか

自分は悲しいことにギターもピアノも楽器な~~~んも弾けないので全部打ち込みです。悲しいね。打ち込みで4ピースバンドの曲なんかやるんじゃないよ全く。

 

ピアノは個人的に大好きAddictive Keysです。実はPianoteqも持ってるんですが、高速パッセージで硬い音場だったらAddictive Keysかな~~~という個人の見解があります。というか良い感じのPianoteqの鳴らし方わかんね。誰か助けて。

 

バッキングのギターはRealEightです。MusicLab信者かよ。MusicLabは1本買うと2本目以降が安くなるみたいなことをやっていたはずなので、興味のある方はどうぞ。

で、この手の曲だとダブリングをさせるわけですが、左のギターアンプはBIAS AMPで、右のギターアンプはGuitar Rig 5のやつを使ってます。個人的にはGuitar Rig 5の音鳴りの方が好きだったりします。ジャキジャキ言わせたい。

 

ベースはみんな大好きTrilianです。去年12月だかそこらに大型アップデートがあったことで話題になったりならなかったりしたやつです。エレキベースに関してはMODO BASSの方がいいらしいですがさすがに買えません。俺はTrillianベースのプリセットで生きていく。

 

最後に、ドラムはAddictive DrumsのMetalパックに入ってる「Sinister Drums」ってプリセットのやつをちょっと弄ったやつを使いました。xlnaudio大好きマンかよ。

生ドラムはパラアウトしたりなんだりで調整周りが難しいので、できればあんまり使いたくないというのが正直なところです。ロック系をやりたがらない理由の半分ぐらいがこれ。なんとかしたい。BFD3?ちょっとよくわかんないです……。

 

その他あれこれ

個人的には、メロディのモチーフの使いまわし方みたいな部分が良くできたな~とか思ったりしてます。イントロのとっかかりをサビに使いまわす、とか。Aメロの音型とか。あとピアノも半ばフィーリングであれこれしたんですが、にしては割とうまくまとまってくれたのではないかと自負している部分ではあります。

 

ただ、これを耳コピしろ、となるとあまりにも鬼すぎる上、自分もできる気が全くしないので(作ってるくせに?)、次こういうことやるときはちゃんとMIDIファイルを入れようと思いました。去年もだいぶやらかしてしまったのに何も反省できてないのが心残りです。あとはミックスうまくなりてぇ。Metric AB使ってあれこれしてるんですが、なかなか落としどころが分からなくて頭を抱えています。

 

参考(冬休みアレンジ祭2019の原曲で出したやつ)

ピアノ連弾ベースドラムの3ピースバンドを打ち込みでやりました。

あれ以来まともに作ってません。ゴメン!(?)

*1:内容に賛否両論ありますが、個人的にはありだと思ってます。いいじゃん双子に迫られたって