無名戦17お疲れさまでした。まだ正式な結果は出ていませんが、何もなければ「Dispire///Hope」は無名戦全体で23位って出ると思います。
まずはインプレくださった皆様、遊んでくださった皆様、並びに宣伝を拡散してくださった皆様に圧倒的感謝。本当にありがとうございました。
無16より多い94件。つまり、94人の方が自分の作品に何かしらの評価や感想を残してくださったということになります。普段の自分の活動からすると考えられませんね。ありがたい話です。
BPM220の音ゲーJ-COREということ自体は割と好意的に受け入れてくださったみたいで、そこだけでも、今回の作品を作ってよかったと思います。音ゲーJ-COREは最高。音ゲーJ-COREは不滅。これからも作っていきたい。
順位としては前回より下回る結果に終わってしまいましたが、今回は規模的にも、全体のクオリティ的にも、ある程度そうなるだろうと覚悟はしていたので、まあそんなもんだよな~とも思います。なんなら前回と同じ順位で終われれば万々歳!ぐらいに考えていたので。正直悔しさがないわけではないですが、今の自分でやれることは全部やったうえでのこの順位なので、後悔はないです。
なんで無17出たんだ、とか、なんで音ゲーコアなんだ、みたいな話はReadmeで散々お気持ち表明したので、Readmeで書かなかった部分(楽曲周りとかBGAの話とか)についてつらつら書きます。
目次
ボーカル周りの話
ボーカルは前回の「World See Night」同様Marie Orkを使いました。
Marie Orkとはなんじゃい!という方のために説明すると、「Alter/Ego」という、DAWで使える合成音声プラグインの「Marie Ork」というボイスバンクです。
個人的にはボーカルというより、声ネタの延長線上という認識だったのですが、メロも取ってるし言葉を発しているので、そりゃあボーカルとして取られても無理ないなと思いました。この辺の処理が甘く、ガンガン減点された感じがするので、次やるときは打開策を見つけたいところです。
ぶっちゃけボーカルサンプルを使うに越したことはないんですが、今回のような旋律のボーカルサンプルを探し出すのも土台無理な話だろうと割り切って作ったところもあるので、合成音声さんと仲良くなっていきたい所存です。
結局なんて言ってたのかは一切明らかにはしてなかったのですが、イベントも終わったし隠しててもなんだなってことで書いておきます。
*
Do you know oh Dispire?
Do you regrets it or Dispire///Hope?
Dispire.
Dispire Dispire Dispire ...
*Repeat
Where were you born when you were young?
When do you know Dispire?
**
Where you are,Where you are,Where you are Dispire///Hope?
When do you know Dispire?
**Repeat
**Repeat
うろ覚えですが多分こんなだったと思います。
一切明かしてなかった理由は「こいつ英文法めちゃくちゃやんけ!」って突っ込まれるのが怖かったからです。どう考えても英文法めちゃくちゃな歌詞を作る方がいけないんですけどね。声ネタってそういうもんじゃね?と開き直ってもいますが。
どうしても語感(リズム)を大切にしたかったので、リズムとの兼ね合いを考えたうえでこの歌詞に落ち着きました。
これに付随して、タイトルの「Dispire///Hope」って結局なんだったんじゃい!という話になるんですが、このタイトルには元ネタがあります。
これです。
内容は本筋からは逸れるのでここでは紹介しないでおきますが、結構陰湿なので見る際は注意を。希望って何だったんでしょうか。
この「Despair」が自分の思っていた発音と違う!これじゃ曲に使えない!ということになり、Despairをもじって「Dispire///Hope」としました。スラッシュ3本はなんとなくそれっぽかったので入れたんですが、1枚絵の文字入れをするときに、このスラッシュ3本の扱いに悩まされたのは今でも覚えてます。記号なんて入れるんじゃなかったわね。
BGA周りの話
ありがたいことにBGA周りを評価してくださった方がいらっしゃいました。評価されるほど大したことはやっていないので、意外というか、どちらかというと申し訳ないという気持ちがあります。
……というのも、FLStudioのZGameeditor Visualizerというプラグインから動画の素材を書き出してまして、それらをAviutlで貼り付けるなりエフェクトかけるなりということをしています。まるでサンプルを多用するDTMerみたいだ……。FL Studioは使うだけならタダなので(当方Cubaseユーザー)……。
本当はせっかくAdobe CCライセンスを契約した手前、AfterEffectsを使いたかったというのがあるんですが、よくよく考えたら、音に合わせてあれこれするならAviutlの方が楽じゃね?ということに気づいてしまったので……。
1から素材を作ったりして動画を作っている方々には本当に頭があがらないというか、知識という面では一般人と大差ないレベルなので、敵わないなぁと思います。そういうのができるようになりたい……。
「World See Night」も同じ手法でBGAを作ったのですが、640×640で作ってしまい、Youtubeにあげてみたら、見るに堪えない画質だったので、泣く泣くBGA単体のアップロードを諦めたという経緯があります。
今回はどうにか見れるものをあげられたので、この辺りは前回の反省を生かせたかな~と思ってます。
「Dispire///Hope」で使ったプラグインとかオススメサンプルとかの話
1年経った今でもBlack Octopus SoundsのBehemothのキックとスネアが好きです。
キックとスネアに関してはこいつしか使ってないです。いやほかにもっといいのがあるはずなんですけど、手放せなくて……。こういう系統のサンプルパックで、他にオススメのものがあるよ~って人がいらっしゃいましたら教えてください。というか自分で音作りなさいよって話なんですけども。
キック単体でも十分なんですが、ミックスしたときに、低音周りがもうちょっと欲しいな~なんて思ったので、キックにうっすらbx_subsynthをかけました。ざっくりいうと低音周りをいじくれるやつです。こいつはセールで大体49ドルとかなる時があるので、その時に買うと良いかと思われます。
パッド替わりに使ってるChoirはOmnisphere 2のChoirを使いました。現状一番好きなChoirです。あと他になんか別のシンセの音を混ぜた気がしましたが忘れました。
12月のときのセールで3万円弱で買って以来、時たま使ってます。
テクスチャやFX系のなんかすごい音が鳴らせるのですが、そのなんかすごい音の使い道がいまいちわかってません。多分こいつが持ってる機能の2割も使えてない。
途中の男性ボーカルっぽいサンプルはCymaticsのVocal Essensialsに入ってる「Cymatics - Vocal Essentials Vocoder Loop 6 - 128 BPM C Min」ってやつをカットアップして使ってます。元の音だとコードがバッチリ聞こえてしまうので、結構ガッツリローカットのEQをかまして使いました。Cymaticsのサンプルパックは安いわりに音が良いものが多く、コスパという面で優れていると感じるので、知らなかった方はチェックしておくと良さげかと思われます。自分はあんまり使ってないですが。
これのイントロの声ネタと全く同じです。リズム感が好きなんですよリズム感が。
あとサイドチェインはVolume Shaper 6をオススメしておきます。分かりやすくていいぞ。
それ以外に使った音源とかは
Sylenth 1→メインリードとかアルペジオとかその辺
Massive→ベース、サブベース
UVI Meteor FX→静かになるところの壮大な感じのキック
Addictive Keys→ピアノソロ。INTENSITYをかましてる。
Waves Grand Rapsody Piano→コードのピアノ。OTTをかましてる。
あとは大体サンプルです。FX周りでVEC4とかバンバン使いました。まるでサンプルを多用するDTMerみたいだ……。
今回の曲では使ってないのですが、アーメンブレイクは6bloccの「Amen Break Collection」ってやつと、「KRUMBLE SAMPLE PACK 01」ってやつとかを買うと幸せになれると思います。他にも探せばあると思うので、探してみると良いです。
ピアノソロのところだけで音140個も切る羽目になって「それは真か!?!?!?!?!?!?!?」ってなったので、できれば当分はやりたくないです。
譜面周りのあれこれそれ
譜面は一番上の難易度から作っていきました。SP INSANEとDP BROKENはこの曲でやりたかった配置を、純度100%自重しないで詰め込んでできた譜面ということになります。で、そこからSPA→SPH→SPNと間引いていって完成という具合です。DPも同様。
このやり方だと、難易度バランスが比較的とりやすいという知見を得たので、何事もなければ今後もこのやり方で作っていくことになると思います。
SP INSANEは今思うとあまりにもやりすぎて大草原、という感じなんですが、IR見てみたらEASYクリアが2人出てて人類ってすげーって思いました。これ以上難しい譜面を作る気はないので、完敗というところです。DP BROKENは知りません。やらなくていいと思います。
ラストの余韻の部分で全くノーツを叩かせなかったのは、回復できてしまって難易度が下がってしまうっていうのと「こんな譜面に手を出すような人にラストの余韻とか必要ないだろ」っていう主張を込めたりしてます。わざわざ別フォルダに隔離したぐらいですからね。
それよりも、DP ANOTHERが想定していた難易度よりもはるかに難しくなっていたっぽくて、この辺は反省点の1つだと思ってます。DPエアプ勢なのがばれちゃう。DPといえば混フレだろ!って思ってああなったんですけど、さすがに度が過ぎた感がありました。分からなかったらSPAの分割+αぐらいにとどめておくのが無難じゃないかな~なんて思いました。
キマグレ☆テキトウ・アンサンブル→コミュニケーション Re:Dive!の時もそうでしたが、難しくするなら人道的に難しくしたい(相応の地力があればちゃんとクリアできる譜面にしたい)という思いがあり、このスタンスは、よっぽど尖ったことをしない限りは守っていきたいなあと思ってます。BPM220の連皿が人道的かどうかは要審議って感じですけれども。
ハイパー譜面は、難易度云々よりも、単純にプレーしてて楽しい譜面、演奏感を得られる譜面に注力したほうがいいのかな~なんて思いました。次回以降やる機会があったら、ちょっと意識して作ってみようと思います。
その他あれこれ
拙者キャッチーなフレーズ大好き侍なので、この手の曲を作るときは、キャッチ―なフレーズ回しを心がけて作っております。最近になってこれが、DJ YOSHITAKAの音ゲー音楽から影響を受けまくっている、ということを自覚しました。
リアタイで氏の楽曲をプレーしていた当時は、あまりよくないことをあれこれ言われていた気もするんですが、やはりあのお方は凄かったんだなぁと改めて思います。ムーブメントを築き上げたぐらいなので、それはそうって感じでもあるんですが。
フレーズの使いまわし方に関して、個人的にはちょっとくど過ぎるかなぁと思っていた節もあったのですが、そのあたりの指摘は全くなかったので、やったぜ!って感じです。展開がよくできていたのもあるのかもしれません。
Readmeにも書いたように、この手の音ゲーコア的な音楽は飽きるほどやられているだろうなぁと思っているのですが、それでもインプレを見返してみると、「CYLTIE.の音ゲーコア」と認識してくださっている方もいらっしゃったようで、これはこれで1つのスタイルとして確立できてたのかなあと思います。そうであるなら、ここまでやってきたことが全部無駄だったわけではなく、なんとなく救われた気分になります。ありがたき幸せ。
ただ、飽きられそうな怖さも感じてるので、別の手段やジャンルも取り入れていく必要もあるんだろうな~と思います。それこそHi-TECH FULLONとか。やり方全然わかんないんですけど。
今後もこう言った音ゲーJ-COREみたいなのを作りたい気持ちはあるんですが、この「Dispire///Hope」でやり切った感がすごくて、正直これ以上のものは作れん!という気持ちがあります。音ゲーJ-COREの1つの完成形を作れたな、というのを内心では思っていたりもします。なんならもうDTMやめてもよくないか?とすら思ってます。
あとはどこかしらのBMSイベント(not BOF)に1つ出れたら出て、今年のBMS活動は終了といった感じになると思います。というかBMS1個用意するのって本当にやること多くて大変だなと。出れなかったら来年頑張りましょうという具合になるんですが、そもそも来年BMSを作るほどのDTMモチベが残っているかどうかはわかりません。環境が変わって、もしかしたらDTMやめてるかもしれません。
ついでなのでS9B2020のあれこれそれも
今更感はありますが、せっかくなのでS9B2020も軽く振り返っておきます。
「キマグレ☆テキトウ・アンサンブル→コミュニケーション Re:Dive!」は全体4位でした。こちらにおきましても、インプレをくださった皆様、遊んでくださった皆様、並びに、宣伝を拡散してくださった皆様に感謝します。本当にありがとうございました。
【SPRING 9KEYS BLOSSOM 2020 詳細情報】 No.6 "キマグレ☆テキトウ・アンサンブル→コミュニケーション Re:Dive! / CYLTIE. "
全体の作品数が少ないというのはあったんですけど、それでも、この作品がここまで評価されるとは正直全く思ってなかったので、嬉しさ半分驚き半分というところです。なんならやってることがめちゃくちゃすぎて、ボロカスに言われるかもしれない、とか思っていたので。インプレが3点満点だったから、というのも要因の一つとしてはあると思ってます。
ぶっちゃけS9B2020に出た理由は、PMSの文化的にBGAを作らんでも出れそうだったから、というあれ過ぎる理由だったのですが、ふたを開けてみたらちゃんとBGAを作ってきてる作品がちらほらあったので、己の認識の甘さを実感しました。次やるときはちゃんとBGA定義しようね……。
あとは、無名戦16出てそこからBMS関連何もしないのもあれだな~っていうのはやっぱりあったので……。時期的に出れそうなイベントはなんだろうって思った時に、S9B2020を見かけて、そこには出ようと決めていたのもありました。結局作り始めたの3月初めとかだったけど。
PMSの譜面を作って思ったのは、BMSの譜面って何かしらの暗黙の了解(例えば、バスは基本的に1鍵とかハイハットは青鍵とかそういうある種のセオリー的なもの)みたいなものがあるのに対して、PMSは無理押しさえ注意すれば(これがまた難しいんですけど)、割と何をやってもPMSの譜面として成立するフリーダムさ、みたいなのがあるなあと感じました。何をやっても許される土壌の広さ、という部分は、PMSの魅力の1つなのかもしれないな~と思います。
こういう路線の曲も今後推し進めていきたいとは思いつつ、未だに作り方を確立できていないので、そのあたりはなんとかしたいですね。こういうハチャメチャな曲は間違いなく音ゲーにあう!という確信はあるので、また作りたいです。モチベがあればですけど。
……こんな感じでつらつらと振り返ってみました。何かしら参考に部分があれば幸いって思ったんですけど、よく考えたら技術的なことなんにも書いてないので、参考にはならないと思います。というか技術的なことあんま書けない……。キャッチーなフレーズの作り方ぐらいだったら書けるかもしれません。自信ないけど。
またどこかのイベントで見かけましたら、その時はよろしくお願いしますってことで、この記事は締めたいと思います。読んでくださってありがとうございました。