皆様はもう読まれましたでしょうか? 先日発売された、「リリウム・テラリウム」という画集サイズの百合漫画を。なんでも「今、一番アートに近い百合漫画」との専らの噂らしいですよ。アートに近い百合漫画ってなんなんだよ。百合漫画は百合漫画じゃあないのかい?(?)。
とはいうものの、恥ずかしながら、わたくしは本屋でこの本と遭遇するまで、その存在を知らなかったのですが。ネットで連載してるものに関してはほぼほぼ疎いものでして……。そもそも漫画は単行本で追うタイプの人間なので……。*1
んで、ページ開くと、丸丸1ページ分の可愛いJK2人がいらっしゃるわけです。画集かよ!(今、一番アートに近い百合漫画と申します。)
中身ももうベッタベタに百合。なんですが、よくある「イチャラブ~~~♡♡♡」的なノリじゃなくて、もうストレートに「好き。」っていう感じで書かれてて、個人的にすごく好感が持てます。恥じらいとかない。茶化さない。160km/hのストレートでJK百合を投げかけてくる。ごまかさない美しさっていうんですか。百合アンソロジーにありがちなテンプレに則りつつも、そのページの大きさだったり、細部まで書き込まれてる表情だったりのおかげで、より安心して尊さに浸れるんですよこれが奥さん! 1つ1つの説得力がすごい!
個人的は、メイちゃんとアキちゃんのくだりが一番好きでした。アツシという、いつも喧嘩ばかりする恋人がいるメイちゃんと、それをなだめるアキちゃんの話なのですが。
まかりなりにも、それなりに百合漫画を読んできた身としては、このシチュエーションの段階で「ラストはきっとそうなるんだろうなぁ~」と察するわけです。これは百合漫画なのだから。
先に書いた「ごまかさない美しさ」がここでも生きてきてて、そうなるまでの心情の移り変わりみたいなのが、とても丁寧に描かれているのがいいですね。
このくだりで描かれているのは、全編通してメイちゃんとアキちゃんだけ。余計なものは一切なく、ひたすらに、二人の関係だけを描いてる。めちゃめちゃストロングだし、そのおかげで、ラストのどストレートな告白も映えると思うのです。私はそのページを見た瞬間「あい~~~~~~↑↑↑」ってなりました。100点満点で3万点になった瞬間です(?)。
アキちゃんとメイちゃんの下りが天才的すぎて悶えながら本投げそうになった(投げちゃダメです) 王道進行は大事だということがよくわかる素晴らしい漫画
— ALTM(CYLTIE.) (@_CYLTIE_D) 2019年1月9日
ヤバイですね??????????????ら???????久々にときめいてしまったよ??????????????ヤバイですね????????(?
— ALTM(CYLTIE.) (@_CYLTIE_D) 2019年1月9日
(語彙力がなさすぎる)
しびれたのが、
メイちゃんが海へ来て
アツシの悪口を言うのが
お決まりだ
私は、そんなメイちゃんが好きだった…
大好きで 大好きで
もう一つおまけして大好きで
この気持ちをどうしてやろうかと
いつも思うんだけど
という、最初のほうに出てくるアキちゃんの言葉。
何が好きって「大好きで 大好きで」ここまではいい。2回繰り返すのもいい。そのあとの「もう一つおまけして大好きで」って本当に何? 意味わからないんですけど。
大好きな人に「もう一つおまけして大好きで」なんて書かないし思ったりしないでしょ普通。こんなことをさらっと書いてしまうあたり、マジですごいなと思ってしまいました。こんな表現、百合漫画で初めて見ました。本当にすごい。天才。
……なんだか支離滅裂になってしまいましたが、この「リリウム・テラリウム」は、そんな、百合に対する本気度が伺える、大変素晴らしい短編集でした。読んだ後の百合幸福度が爆上がりです。
「今、一番アートに近い百合漫画」なんて謳っていて「おいおいそれはどういうことだい?」とか思ったりしてましたが、なんとなくそう謳いたくなるのもわかる気はします。
お値段も1800円+税と、決して安いとは言えない値段*2ではありますが、それに見合うだけの内容はあったと思います。電子書籍も出ているけれど、これに関しては、是非とも本で買って読んでいただきたい!と思ったりもしたのでした。映画は映画館で見てくれ!的なノリで。懐に余裕のある、百合好きの皆様におかれましては、気になるのであれば、買うと良いかと思われますわよ。尊さに溺れて呼吸できなくなるといいよ。
pixivコミックでも読めるけど、やっぱり本で読んでもらいたいなぁ~!!!